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独自の進化を遂げたロンドンスケートシーン代表、スラムシティスケーツ

野田

最近、アナーキックアジャストメントがまた再注目されていたり、インセインも復活したり《 あんとき》のロンドンのストリートカルチャーがアツい気がするんだけど

高柳

たしかにそうですね。個人的には「スラムシティスケーツ」周辺のブランドやカルチャーが気になります。ロンドンはアメリカとは一味違ったスケートボードシーンが発展しましたからね

遠山

そもそもイギリスはモッズやパンクス、カジュアルズなど、音楽とリンクした熱狂的ユースカルチャーを生み出してきた文化の情報発信地。それは大英帝国時代から脈々と続く厳かな階級社会が息づく街だからだと思うんだよね

高柳

それはデカいですね。だからこそカウンターカルチャーが根付きやすく、カッコいいストリートブランドがバシバシ誕生したんだと思います。

中でもカウンターカルチャーの代表格であるスケートボードカルチャーが80年代後半から00年代くらいのロンドン・ストリートシーンを引っ張ってたと思います

瀬戸

そもそもロンドンでスケートボードが注目されたのって、どれくらいなんですか?

高柳

個人的には1986年がロンドンのスケートボードシーン元年といえる年だと思っている。なぜならスケートボードが他のユースカルチャーと融合して、輸入文化じゃなくロンドン固有の文化として成熟した年だから

野田

その根拠って?

高柳

というのも、この年にロンドンスケーターのバイブルとなった専門誌『 RAD( READ AND DESTROY )』という雑誌が創刊されたんですね。もともとはBMXの専門誌だったんですが、編集長のティム・レイトンボイスが当時ティーンの支持が高まっていたスケートボードに目を付けリニューアルしたんです。

画像引用:VintageSkateboardMagazines.Com

そこで注目すべきは、その後のテクノシーンを中心に世界中のストリートシーンを席巻したアナーキックアジャストメントのデザイナー、ニック・フィリップが『 RAD 』の編集部でエディトリアル・デザイナーをしていたという興味深い事実です。当時のスケートシーンには、ロンドンで際立っていた才能を集結させるだけの力を宿していたんだと思います

画像引用:罵詈雑言(ばりぞうごん)

遠山

それともう1誌、ロンドンのスケートシーンを盛り上げるのに一役買った雑誌があるでしょ。それがスケートジャーナリストとして知られていたケヴィン・ヒルズとヴァーノン・アダムスが手がけた『スケートボーディング・イズ・ノット・ア・デッド』。この2誌が起爆剤となり、ロンドンのスケートシーンは花開くこととなったんじゃないかな

野田

そっか!じゃあスラムシティースケーツがオープンした年と重なるんだね。たしかに文化の発展にとって情報とともに必要となるのは、その情報と人が集まるスポットだよね。その役目を果たしたのが「FTC」とともに世界で最も人気の高いスケートショップ、スラムシティースケーツだったのは間違いない

画像引用:SEVEN DIALS

高柳

そうなんです。スラムシティースケーツはロンドンスケートシーンのボス的存在だったポール・サンマンが、インディーズロックの拠点であったレコード店「ラフトレード」の地下にオープンさせたんですよね。

サンマンが創業の地をこの場所を選んだのは決して偶然ではないと思うんです。当時、ロンドンで唯一『スラッシャーマガジン』を取り扱い、アメリカのスケーターたちがこぞって聴いていたスラッシュ系のレコードをフルラインナップしていたのが、何を隠そうラフトレードだったから

遠山

もしかしたらサンマンはロンドンでのスケートシーンはカルチャーと深く融合したものにしたいと考えていたのかもしれないね。ちなみにショップを開店させるための資金はラフトレードのオーナーであったナイジェルと協同で出資しているのも見逃せないね

野田

数年前にNYのラフトレードいったけど、そこもカッコよかったなぁ。

ラフ・トレード|買い物中毒のファッション通販アドバイザーの買い付け日記 Day.4.5

ちょっと意外なとこだと「ポールスミス」の2ndライン「アールニューボールド」とコラボしてましたよね。思わず買っちゃいましたもん!今でも「フラフ」とのコラボアイテムは現役で着てますよ。スラムシティースケーツのあのロゴはズルいよなー、超ほしくなっちゃうもん

画像引用:メルカリ

高柳

スラムシティースケーツってロンドンの独自文化とスケートシーンを象徴するオリジナルブランドを作ろうと知恵を絞ってますよね。その流れで誕生したのが、今でもコアなファンの間でオリジナル品が高値で取引されている伝説のブランド「インセイン」です

画像引用:outasight design

デザイナーを務めたのは、自身もスケーターであったジェド・ウェルズ。ぬいぐるみのような動物をモチーフにしたポップなグラフィックは海を渡り日本でも大流行し、ヒロシさんも愛用していたことで知られています。アメリカのポップアートはロンドンのストリート上でよりファンシー解釈され、洗練された進化を遂げたように感じますね

野田

スラムシティースケーツって時間と共に、そのエッセンスを受け続くブランドたちが続々と誕生していったのも興味深いポイントだよね

高柳

まずハズせないのが「ホームズ」ですね。スラムシティースケーツのスタッフだったソフィーが設立したアパレルブランドで、Tシャツやフードにグラフィックをプリントするだけのスラムシティースケーツ時代の洋服作りから、より本格的な服作りへと発展を遂げさせました。現在は存在していませんが「サイラス」の原型となったことで有名です

野田

日本だとメイド・イン・ワールドとかに置いてあったよね。なんか落ち着いた感じでちょっと大人のイメージというか。

で、サイラスはホームズを手がけていたソフィーと、古くからラフトレードやスラムシティースケーツで働いていたラッセルが、1998年にイースト・ロンドンで設立したブランド。スケートボードをバックボーンにしながらもトラディショナルな感じで、やっぱりホームズからの流れは感じる。「洋服は着る人のライフスタイルを重視した独自の着こなしが大切」というのがブランドのポリシーらしいけど

遠山

スラムシティースケーツ絡みで忘れてならないのには、マーク・フォスターが1999年に立ち上げた「ヘロイン・スケートボード」があるでしょ。

スラムシティースケーツとはフレンド関係にあることで知られ、サイラスのグラフィックも手がけたジェームス・ジャービスがグラフィックを手がけたことでも有名。もちろん、モ・ワックスもラフトレードを介して、スラムシティースケーツとも繋がっているしね

画像引用:Caught in the Crossfire

高柳

こうしたUKシーンの流れの中で、いま現在、最新型としてその魅力を発信しているのは「パレス」じゃないでしょうか。カジュアルズをはじめとするUKの伝統的なストリートカルチャーのエッセンスを取り入れながらも懐古主義に陥ることなく、洗練されたプロダクトとしてリリースしている。

画像引用:CALTURE CARTEL

たとえば、それはアディダスとのコラボレートにより製作されたジャージーウエアなどに集約されていますよね。スポーツアイテムをファッションシーンで復活させた功績も大きいんじゃないでしょうか

野田

アディダスとのコラボは分かるとして、なんでマンUとかアーセナルみたいなプレミアのアディダス勢じゃなくて、なんでイタリアのユーベなんだよ!って思ったけどね (笑)

※ 記憶が頼りでして事実と違うことがあったら、すいません!