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GOODENOUGH|ビジネスセンスも類まれな存在だったグッドイナフ

野田

まさかの GOODENOUGH ( グッドイナフ ) コーナーを横浜で発見するとは。コーナー展開なんて初めてみましたよ

遠山

気が付かなかったよね。あまりにもさりげない感じで

瀬戸

これまでもグッドイナフって、そんなに出ていないですよね

野田

せっかくなんで、ここらでグッドイナフを1回やっておいてもいいのかもね

高柳

設立は90年ですね

野田

そうだね。その当時は STUSSY ( ステューシー ) や ANARCHIC AJUSTMENT ( アナーキック・アジャストメント ) といった海外のストリートブランドは入ってきていて。日本だとTAR (トウキョウ・エア・ランナーズ) とかね。

だからストリートブランドの元祖はグッドイナフ的な言われ方することもあるんだけど、一般層にリーチしたという観点では正しい言い方かもしれないけど正確にはその前から日本にもストリートブランドは存在していた

高柳

藤原ヒロシさんとスケートシングね、最初は

野田

正確には4人。ヒロシさん、スケシンさん、水継さん、そこに小倉でシーヴスというセレクトショップをやっていたトールアイさんだね。最初はスケシンさんが手書きしたものや切り貼りしたTシャツからのスタートだったらしい

遠山

グッドイナフって、ずっとロンドンのクラブウェアだと思ってた

野田

ボクもそう思ってました

高柳

そういう戦略だったみたいですね。ヒロシさんが作っていると分かると、服を見ないで買ってくれる人は買ってくれるし、反対に買ってくれない人も出てくるから、そういう先入観を排除したかったと

遠山

作り手がヒロシさんって分かったのって、なんかきっかけとかあるの?

野田

徐々にじゃないですか。連載とかでいつも着てるし、AFFA ( エーエフエフエー ) のようにヒロシさんと公表されているブランドのディテールを見て、この袖の切り替えってAFFAでもやってたことがグッドイナフでもあるから、実はそうじゃね? みたいな

高柳

野田さんがグッドイナフを好きになったきっかけってなんですか?

野田

忘れちった。宝島かな。この辺くらいとかだと思うけど。あ、でもこれ問い合わせがロンディスだから、もう少し前かな

高柳

俺は多分この辺です。雑誌を読んでてロンディスで扱っているのは知っていたけど、買いたいまではいかなくて。でもLAST ORGY2 ( ラストオージー2 ) で紹介されるようになってNIGOさんやジョニオさんといった、彼らにとってみたら先輩のブランドを紹介することになるんだけど、そこでスタジャンを紹介していてカッコいいなぁって

野田

懐かしいねロンディス。でも最初の最初は小倉のシーヴスが問い合わせ先だった記憶があるんだよなぁ。家の電話から092だか093で始まる番号に電話して「このTシャツあります?」的な問い合わせをしていた記憶がある。で、現金書留でお金を送って通販するみたいな。今思うとものすごい工数かけて買ってたな (笑)

高柳

ロンディスには、いってました?

野田

うん、行ってたよ。insane (  インセイン ) とか Ralph Lauren ( ラルフローレン ) とか GAP ( ギャップ ) とかあったような。で、そこにイナフも取り扱うようになり。でもこの当時はまだ人もガラガラだったよね。で、ほどなくしてEMになったでしょ。

高柳

そうだ!その流れでELTになるんですよね

野田

そそ。まだ渋女の前に移転する前。並木橋のとこね。雑誌には電話番号すら乗ってないというとんでもない尖り方で、移転の告知とかもないんだよ (笑)。「あの辺にある」とか、そういう噂レベルの話を仕入れたら実際に探しにいく、みたいな。ドラクエで村人から情報を集めて探しにいく、みたいなことをリアルにしてたからね。

でも今思うとムラジュンさんや千寿さんがいてグッドイナフもある、という夢のようなショップだったんだよね。思わずムラジュンさんに写真撮らせてもらったもん

高柳

後に still sequence ( スティル・シークエンス ) を立ち上げる渡辺陽平さんも出身ですよね

遠山

グッドイナフの名品って言うとなんなの?

野田

個人的にはインディゴ染めのフィッシャーマンニット。

これは個人的には刷り込まれていて、アラン模様とネイビーを見るともうダメですね、すぐに欲しくなっちゃうので気仙沼ニッティングでもオーダーしちゃいましたもん

ニットを求めて500km! 気仙沼ニッティングの販売店「メモリーズ」に行ってきた!

高柳

パラシュートパンツとかもありましたよね

野田

あったね。初期の頃はパソコンもなかったから、スケシンさんが切り貼りしていたグラフィックとかもあり SEDITIONARIES ( セディショナリーズ ) っぽい感じはあったもんね

遠山

だからなおさらロンドンのクラブ系なんだなって感じてたのかもな

野田

袖口に g のタグが付くんですけど、それもセッズの影響って言ってましたね

高柳

そういうディテールでも今に繋がるポイントは多いですよね

野田

確かにそうだね、裾や袖口の切り替え、ヨーク部分へのロゴのプリント、代名詞とも言うべき袖裏の切り替えなど、特徴的なディテールは今も受け継がれているよね。

まぁでも、一般的にはモッズコートになるんだろうね

画像引用:セカンドストリート

瀬戸

そういう商品もすごいけど、野田さんはよくビジネス的にもすごいって言いますよね

野田

うん、絶頂でやめるんだよね。それがすごい。グッドイナフも95年にそれまで40店舗くらいあった店舗を10店舗に絞ったり半年間おやすみしたりするんだよね。で、伝説のショップである READY MADE ( レディメイド ) に繋がるんだけど。そのお店も2年くらいで閉める。

このフォーマットって今ではヒロシさんのデフォルトというか、プールとかパーキングも2年で終わったじゃない。最近で言うとヘッドポーターも終わらせたでしょ

高柳

川勝さんが書いていた「寝かし時」ですね。優秀なDJたちが引っ張り出してくる曲って不思議とタイミングが一致するらしく、その現象を不思議に思った川勝さんがヒロシさんに尋ねたら「優秀なDJは、寝かし時を知っている」と言われたという

野田

そういうブランドやショップの寝かし時とかさ。あとはDJって曲という素材をどんどん繋いで自分のスタイルを披露していくわけだけど、今のフラグメントの活動ってDJっぽいというか

高柳

というと?

野田

ブランドを1枚のレコードに例えてさ、今回は Louis Vuitton ( ヴィトン ) 、次は BVLGARI ( ブルガリ ) 、そして Moncler ( モンクレール ) など、どんどん素材というかコラボするブランドが変化していくじゃない。でもそこにヒロシさんのディレクションが入ることで、フラグメントというDJスタイルになっているというか

高柳

あーなるほど!

野田

1つのブランドだけでここまでの変化を出すことは無理だと思うんだよね。でもフラグメントというディレクションに専念できる形態にすることで、良いとこどりできるというか。バッグならどこどこ、ダウンならどこどこ、とそのブランドの強みだけをピックアップできるし、自分のところにたくさんの人をかかえなくていい。さらに言えば在庫リスクもないという。

常に余韻を残して終わるので、すり減らないで逆にどんどん価値が上がっていく。事実コラボする相手もどんどんビッグネームになって、ストリートファッションという括りはとうの昔に飛び越えている。ちょっとやそっとの変化じゃ喜ばれないこのご時世にあって、このスキームは最強だと思うんだよね。それを20年も前、しかも絶頂の最中で見越していたと思うとビジネスのセンスもどれだけなのーーー!って鳥肌もんだよ

※ 記憶が頼りでして事実と違うことがあったら、すいません!