いよいよ今年最後の記事ということで、今回は今年の買い付けの振り返りをやろうと思うんだけど
6月26日に初めて高崎へ買い付けの旅に出かけたんだけど、一発目が高崎でよかったね。掘り出し物もたくさん出てきたし。あれが最初じゃなかったらこの企画も辞めてたね (笑)
高崎はかつてノーウェアもありましたし、東京から100kmと絶妙に離れた距離が、東京への憧れを増幅させるんですよね。
古くは糸井重里さん、《 あんときのストリート》ではNIGOさんやジョニオさんを排出しています
トレンドに敏感な人が多いイメージですね
それわかる。憧れと俯瞰で見れる感じだよね。もうちょっと離れると憧れしか残らなくなってしまうからね
30年くらい前には、みんな休日にファッション誌に掲載されているアイテムを求めて、高崎線で2時間かけて原宿や渋谷に出かけていたくらいですからね
ラストオージー2のTシャツ
それでは今年手に入れた名作を振り返っていきますか。
まずプッシュしたいのがラストオージー2のTシャツ。これは茨城で発掘したんだけど
これは当時のオリジナル?
おそらく香港にノーウェアが復活したことがあるのですが、これはそのときに復刻されたものだと思います。状態もいいし
ノーウェア復活してたんですね
うん、2009年頃かな。ソフとかあったセントラルの坂道のとこにできたんだよね。ハニカムブログでラストオージーが限定復活して、そこで限定アイテムの発表があったのよ。
でもボクがお店にいったときにはお目当のスタジャンは売り切れてて、たしかスカルシューズのアンダーカバーコラボとかがあったんだよね
アンダーカバーのレザーショーツ
続いてはアンダーカバーのレザーショーツ。このショーツにアンダーカバーのアーガイルベストを合わせて、ステューシーのマイケルモデルを合わすのが《あんとき》の定番だったなぁ。足元はオールスタータイプかジャックパーセルタイプで。今でもそのカッコしたい
でもレザーショーツといえば、ジョニオさんとアンダーカバーを一緒にやっていた一之瀬さんのマイノリティの方が先ですよね?
もちろんそれも買ったよ (笑)。マイノリティの方が、若干丈が短いのが特徴だね。
これも《あんときのストリート》の名作中の名作であることは間違いないね。ボクはこの後に出たジップの部分が2つになってて、裾から紐が出てるタイプの方が好きなんだけど
マイノリティって、その後に名前変わったよね?
はい。マイノリティからNWOになり、ヴァンダライズになりました。東京堂の隣のフーバーあたりにお店があったんだよな。今思うとあの一角はネイバーフッドがあって、東京堂があって、ハイドアンドシークもあって、スゴかったですよね
ミルクボーイからですかね?
あー確かに!そんなイメージあるわ。
あと革パンだとシュッとしているんですが、このショーツはボテっとしていて、オーバーサイズだった《あんときのストリート》っぽくなるんですよね、そこが良かった
俺のイメージだとこのスタイルにガボールを合わせている人が多かったイメージだね。俺が’96〜’97年くらいに地方のファッションスナップの仕事をしていたときには、そういうファッションをしている人が多かった
当時クレイジーピッグとかも流行ってましたよね。ロンドンでNIGOさんしか発注できない猿のリングがあって。すごい欲しかったもん
マイノリティといえばプレデターリングも有名ですよね
当時はヒカルさんの影響もあり大ぶりなキャラクターリング流行ったもんね。ボクもJAP工房でスターウォーズのリング買ったもん、ベイダーとか
TARのTシャツ
続いて紹介するのがTARの15周年のTシャツ。背中と袖にサンダーロゴが入ったヒロシさんとのコラボモデル。このグラフィックはヒロシさんのアーカイブ本にも掲載されているよね
TARってボディが厚めのものが多いですよね。このTシャツもかなりヘビーオンスだし、スウェット類もキャンバーをボディにしてたり
TAR自体が裏原ブーム前じゃん。キューティーとか宝島のクラブキッズ世代のブランドで世代的にも一つ上になる
ミミックでTARの記事を取り上げたとき、ホントに色んな人が反応してくれて。しかもTARを知っているということは当時を知っているイケてる大人なのでみんな影響力が高い人で。あのDUB MASTER Xさんもリツイートしてくれたんだけどメチャクチャ嬉しかった (笑)
俺はこのクラブキッズ時代をしっかりアーカイブしたいんだよね。世代的にも俺が中学生くらいの時がその世代だから
大阪だとニードルズ、東京だと下北周辺のスパークスビート周辺のブランドですよね
後は東京だとロンディスとか吉祥寺の33だよね。そのちょっと後にデタントとかできてって感じだよね
遠山さんが好きなショップにあげていたアウターリミッツとかも、その当時のショップですよね。僕もよく通ってました
マジ! お前、その年でアウターリミッツに行ってたの!? あの上野のバイク街を抜けて? ちょっと驚きだわ。
ここでちょっと言っておきたいわ。俺がなぜテクノとかハウスに流れなかったかというと、パンクの系譜があるからなんだよね。あともう1つがレゲエやスカが好きになって、それを聴き始めるとルードボーイに行き着く。で、ルードボーイって90年頃でも十分昔のスタイルじゃん。そのときにレゲエ系のド不良ってどんなカッコしているのかなって調べたときに出てくるのがダンスホールレゲエなのよ。その中でも一番ド不良なのはラガマフィンと言われていて、そうするとアウターリミッツに行き着くんだよね。
アウターリミッツは当時、新宿のスタジオアルタの中にも入っていて最先端のテナントだったのよね。だから西新宿でレコード買って、スタジオアルタで洋服を買うというのが俺の定番コースだった。今もコレクトしているレゲエマガジンでもカッコいいADが載っているしね
ナイキ × ニトロ・マイクロフォン・アンダーグランドのエア・フォース1
ニトロとナイキのコラボスニーカー。箱付きのデッドストックの状態で発見したときには、めちゃくちゃ感動しましたね
1999年のデビューと発売年の2009年のロゴがタンに入っているのが特徴。10周年モデルだよね
CDのジャケットと同じ柄が使われていて。ミミックで1番最初の記事なんですが、ビグザムさんがその記事をリツイートしてくれて、デリさんがいいね!してくれたんですよね、ありがとうございます
このルックスは今の子にウケそうだよね。あんまりないじゃん、ここまでやりきれるモデルって
ギミーファイブのTシャツ
はい、では次。今をときめくギミーファイブを紹介しましょう
これも初めて買い付けに行った群馬で発掘したの。これは通常だとストリートウェアコーナーに置いてあるはずなんだけど、500円均一のコーナーに置いてあった (笑)
アンビルのタグ付いているのも面白いですね。この当時、その辺グレーでしたもんね
俺はこれがベストバイかな。これを発見したときに、この企画はイケるなって確信したよね
確かにキム・ジョーンズを語る上でギミーファイブは外せないですもんね。でもあまり知られていない。彼のルーツになっているこのTシャツが500円で買えるという楽しみ方は絶対に知ってほしいですよね
そうそう。ギミーファイブってエイプほど認知度は高くないじゃん。ここを知っているかどうかで、その人のストリート度が高いか低いかの線引きになってくるブランドなんじゃないかなって
ヴィトンとシュプリームのコラボを着ている人にギミーファイブを知っているか聞きたいですもん。それで知らない人には、持っているものをストリートに戻してくれって感じですもん (笑)
その辺はコメントも寄せさせてもらった、この記事に詳しいのでぜひ
クリプトンの大戦デニム
次はクリプトンの大戦デニム
これをベストバイにあげるのはクルゼだけじゃない (笑)。すげーマニアックになってくるよ
クリプトンは元ヘクティックのリョウさんとツカサさんが始めたブランドですよね
そそ。何がいいってステッチが蛍光色なところですよ。バランスが蛍光ベルトを出したり、アンダーカバーが蛍光のウエストポーチだしたり、蛍光色がストリートを賑わせたときありましたよね
でもクリプトン知っている人は少ないんじゃない?
正直、そう思います (笑)。でも取り扱っていたアフターアワーズには、看板ブランドのコンプリートフィネスに加えロウプロファイルとクリプトン、サキャスティックなんかがあり。Sクラスのブランドではないんだけど、イイ感じのブランドが多かった
当時の次世代系だよね。でもこの手のブランドは意外と発掘できないので、オークションで探すしかないんだよなぁ
元々そんなに数作ってないでしょうからね。そこがまた好きでした
アフターアワーズは本当に東京っぽいショップでしたよねぇ
コアファイターのジーンズ
ラストはコアファイターのデニムパンツ。極太ですね (笑)
このデニムは何がいいってベルトループが二重になっていて、細いベルトでも太いベルトでも両方使うことができる仕様になっているところだよね。この作りの細かさはさすがだと思う
こないだ買ったコアファイターのデニムを地元の仕立て屋でチェーンステッチにしたいなと思って持って行ったら「これどこのデニム? いい素材使っているねぇ」って言われました
このデニムのそういうディテールとか、デニムジャケットとか、古着の良さを残したまま、気になるところをちゃんと改良してあるんだよね。そこはさすがだなぁって思うよ
ってことで来年はどんなアイテムに出会えるのか?他にもサロンやったり、別注アイテム作ったり、色々やりたいことはあるので、皆さんぜひ来年もヨロシクお願いします!