今回扱うのはホームレス。ボクらがオーリー編集部に在籍していた時代、毎月のように露出していたブランドのひとつですよね
編集部でも好きで着ていたヤツも多かったですよね
僕も好きで着ていた一人です(笑)
どの辺が好きだったの?
’90年代中頃にヒップホップでもスケートボードでも東海岸ブームがあったと思うんですけど、僕の感覚だとそのノリをいち早く日本で取り入れたドメスブランドという認識なんですよ。シュプリームやズーヨークと合わせて着ても遜色のないブランドでしたね
世代的に僕は通ってきていないブランドなんですが、どんなアイテムが得意だったんですか?
色々リリースしていたと思うけど、個人的にはやはりミリタリー使いが非常に上手かったイメージ。
今でこそミリタリーウエアって市民権を得てるけど、’90年代中頃にミリタリーを取り入れるのはかなり上級者だったんだよね。その辺もいち早く採用していたのもホームレスの凄さです。軍パンなんかは特に秀逸だったな〜
ブランドはまだやってるの?
どうやらブランド自体は今はないみたいです。残念ですが……
ブランドの設立は何年?
某ファッションサイトによると1996年とありますが、ここにあるデビルマン西岡さんが1993年にリリースした『NATION』というスケートZINEの表3にはすでにホームレスの広告が出ているので、インディーズではもっと古くからやっていたのではないでしょうか?
やっぱりホームレスといえば、スポンサーライダー陣のカリスマ性も魅力だったんじゃない?
ですです!
スケーターでは、田口悟さん、土屋敬志さん、荒木塁さん、大矢尚孝さん、飯島修志さん、DEMI-DOPE!(関本秀巳)さん、栗林悟さん。
BMXライダーでは伊藤高志さん、上原洋さんなんかがスポンサードされていましたね。スポンサーライダーがカッコいいから彼らと同じ洋服が着たいと思わせる手法もホームレスはいち早かったと思います
ヤナギ、オーリー編集部時代、やたら土屋敬志さん好きだったよね?
さすがよく覚えていますね!でも、実は野田さんの《あんとき》とも多少なりとも接点があるんですよ。
土屋さんは森田貴宏さんの手がける映像作品、F.E.S.N のファーストタイトル『Far East Skate Network』のROOKIE(期待の新人を紹介するコーナー)で登場するんですが、なんと野田さんが大好きな裏原宿を代表するノーウエアの「ラストオージー2」のTシャツを着て滑っているんですね。
当時、東京や横浜の生粋のアーバンティーンネージャーたちのファッションや文化に強い興味のあった僕は、地方出身者のイメージが強い裏原宿(ヘクティックは除く)には結構懐疑的だったんですが、「あ、着てもOKなんだ!」と思えるきっかけを作ってくれました。個人的には東京リアルストリートのスケートカルチャーと裏原宿の橋渡し役という認識を持っています
そういえば、ホームレスやメトロピアを扱ってた「麻乃葉」ってショップもノーウエア跡地だったもんね
メトロピアって、なんかホームレスと似てるイメージがあったんだけど
それはスポンサーライダーが被っていたからかもしれませんね。田口悟さん、土屋敬志さんもメトロピアのライダーですから。大きく分ければ、ホームレスがアパレルブランド、メトロピアがスケートチームといったところでしょうか。でも、メトロピアの前身だったクイーンズというスケートチームは無茶苦茶カッコよかったんですよ。東海岸のスケートノリをいち早く取り入れていましたから
ホームレスのライダーたちって、その後に自分たちで個々にブランドを立ち上げているのもの興味深いですね。田口悟さんは「チャレンジャー」のデザイナーですし、伊藤高志さんと上原洋さんは「430」を設立していたり
あの頃はスケーターやBMXライダーがブランドを立ち上げるのがひとつのブームになってたけど、その大きな母体となったのがホームレスというわけね
やっていこう!
※ 記憶が頼りでして事実と違うことがあったら、すいません!