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IRISH SETTER|《あんとき》世代のブーツといえば昔も今もアイリッシュセッター

《 あんときのストリート 》を発掘|MIMIC ( ミミック )

野田

今日はRED WING ( レッドウィング ) の IRISH SETTER ( アイリッシュセッター ) について振り返っていこうか。

瀬戸

なんでまた今のタイミングなんですか?フラッグスにお店がオープンしたからですか?

野田

実は#8167 で知られるスウェードのプレーントゥが生産中止になってしまったんだよね。だから今店頭にあるものがなくなってしまったらUチップのみの生活となってしまうのよ。だから慌てて買っておいたもん

画像引用:RED WING

瀬戸

そうなんですね!野田さんは何足持ってるんですか?

野田

昔から持っていたのはアイリッシュセッターだとスウェードと黒とネイビーのUチップ。他にBECKMAN ( ベックマン ) のチェスナッツとブラックチェリー、あとはスウェードのエンジニアだね。

で、今回の生産中止を受けて、スウェードのプレーントゥと、なぜか赤茶のUチップも買ってた (笑)

瀬戸

さすがですね (苦笑)。魅力ってなんですか?

野田

コスパなんじゃないかな?今でこそ値段は少し上がったけど、それでもブーツの部類としては安い方だし《あんとき》なんてもっと安かったわけだしね。ボクもソール貼り替えて《あんとき》からずっと履いてるし、そう考えると普通に激安だと思うんだけど

高柳

レッドウィングだと、やっぱり( 藤原 )ヒロシさんの影響が大きいですよね

野田

だね。ボクもその影響はモロに受けた、というか今も受けて履き続けている。

アイリッシュセッターのネイビーもリング・オブ・カラーでヒロシさんが紹介していて、日本未発売だったけど海外通販したもん。まだ寝かせてあって履いてないけど

瀬戸

何足持ってるんですか (笑)

野田

8足になるのかな? こう振り返るとけっこうあるね (笑)

瀬戸

レッドウィングって、ストリート史としてはどんな流れなんですか?

野田

日本のストリートファッションにレッドウィングが登場していくるのは、85年頃から盛り上がりを見せるアメカジブームのときなんじゃないかな。

さすがにこの時期はまだ小学低学年なんでリアルには知らないんだけど、DCブームを横目に渋谷から局地的に起こってきたこのブームでは、ケミカルウォッシュのジョッパーズから Levi’s ( リーバイス ) 501にボトムの主権が移って、足元はレッドウィングのエンジニアブーツがお約束だったみたいなので

遠山

そうなんだよね。80年代中頃までってホントにダサかったんだよ。でもアメカジから渋カジの中で、レッドウィング、GORO’S ( ゴローズ ) 、501、VANSON ( バンソン ) など、今や定番と言われるようなアイテムをみんなが普通に身につけるようになって、一気に洗練されていったとこはあると思う

野田

80年代の後半にもなるとアメカジを始祖とする渋カジブームが起こるわけだけど、そこでも501は引き続き王道で足元はエンジニアもいたけどアイリッシュセッターも登場してくる。これは MINNETONKA ( ミネトンカ ) も当時流行ったようにモックトゥの流れがあるんだろうけど。

その後90年代に差し掛かり、チーム文化が台頭してくるとハードアメカジと言われるようなスタイルに変化して、バンソンにリーバイスの517や646のようなブーツカットも登場してくるけど、足元はレッドウィングのエンジニアが定番として君臨してるんだよね

瀬戸

なるほど。80年代中頃から登場してきたけど、そのときはエンジニアが主流だったんですね。今はアイリッシュセッターの方が主流だと思うんですけど、そのきっかけってなんだったんですか?

野田

ヒロシさんだよ。今でこそ黒アッパーに白ソールのアイリッシュセッターって普通に売っているけど、当時はなかったんだよね。95年にビームスが別注で黒アッパーに白ソールを作ったことがあったんだけどインラインにはなくて。

翌年にヒロシさんが MEN’S NON-NO ( メンズノンノ ) の連載「ア・リトル・ノーレッジ」の6回目で黒のアイリッシュセッターにホワイトソールをくっつけたカスタムブーツで誌面に登場したわけですよ。そうしたら代理店に問い合わせが殺到し、製品化が決定。以後《あんときのストリート》全盛期にはみんな血眼になって、この#8179 争奪戦を繰り広げるわけですよ。

画像引用:MEN’S NON-NO WEB

2000年を境に日本がスニーカーシーンをリードする時代がくるけど、その少し前にブーツでは日本の規格がシーンを席巻していたことになるんだよね。しかも仕掛け人は同じヒロシさん。いやはやスゴい (笑)

高柳

スウェードも人気でしたよね。あれも実は日本規格だったんですよね?

野田

そうそう。今でこそ靴屋にいけば普通に売ってるけど、《あんとき》のアイリッシュセッターの黒かスウェードなんてマジで幻だったからね。

カウンターアクションで見かけたって噂を頼りに足繁く通ったり、丸井のフィールド館に入荷するってことで前日から並んで結果買えなかったり、すげー色々探し回ったもん

遠山

全然買えなくてCEDAR CREST ( セダークレスト ) 派もいたりね (笑)

瀬戸

いたいた!

野田

やっぱり《あんときのストリート》の中心にあった裏原スタイルってデニムが基本なだけに、黒やスウェードのアイリッシュセッターって相性がいいんだよね。当時はオーバーサイズだったこともあり、足元に適度なボリュームがありパンツの裾がひっかかるところも都合よかったしね。

でもこうやって振り返ってみるとアイリッシュセッターって《あんとき》は憧れの1足だったけど、四半世紀経った今ではド定番になってるんだよね。少しはボクも成長できたのかな (笑)。もう相棒のような1足なんで、一生付き合っていきますわ