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MOTIVE|テイストが変わってもストリートの支持を獲得し続けたモーティブ

《 あんときのストリート 》を発掘|MIMIC ( ミミック )
野田

これは MOTIVE ( モーティブ ) だね。コーヘイ ( 牧田耕平 ) さんのブランドで立ち上げは1999年。Supreme ( シュプリーム )の代理店であるONEGRAM ( ワングラム ) のオリジナルブランドとして設立されたんだよね

瀬戸

牧田さんってもともとワングラムの人なんですか??

野田

いや、大阪の人でレプリカジーンズブランドの FULLCOUNT ( フルカウント ) にいたんだよね

遠山

そうだね、当時から関西の雑誌の読者モデルのような出方もしてたから、界隈では既にある程度名が通ってたんだろうね。

瀬戸

フルカウントも大阪ですもんね。そこからどうやってワングラムにつながっていくんですかね?

野田

確か大阪のクラブで遊んでた時に SOPH. ( ソフ ) の清永さんに誘われたって話だったと思う。清永さんって当時ワングラムだったから。でもそのときコーヘイさんは、シュプリームは知らなかったっていう (笑)

瀬戸

へー!そのころからワングラムってシュプリームやってたんですか?

野田

うん、もう代官山にもお店があったと思うよ。シュプリームって最初は福岡の DICE & DICE ( ダイス・アンド・ダイス ) が代理店をやってたんだけど、この頃はもうワングラムだったね

高柳

STORMY ( ストーミー ) に置いてありましたよね!僕、あそこが最初のイメージです

野田

そうそう。最初はストーミーだったよね

瀬戸

へー、そうなんですね。じゃあシュプリームもその頃はバリバリのNYスケートブランドって立ち位置だったんですね!

高柳

そう。ストーミーはダイス・アンド・ダイスから直接卸してもらってたんじゃないかな。あとはアリーナとかにもあったよね

野田

あったあった!

瀬戸

僕、そのお店分かんないっすね。。

野田

マジかよ!

高柳

裏原宿にあったスケートショップで、当時まだあんまりメジャーじゃなかったNY系のスケートブランドなんかを扱ってたんだよね。ZOOYORK ( ズーヨーク) や PROJECT DRAGON ( プロジェクト・ドラゴン) とかも早かった。そこをやってたのがプロスケーターの旭健さん。そこまで言ったら瀬戸くんでも分かるんじゃない?

瀬戸

あ、COMMUNITY ( コミュニティー ) のディレクターの人ですよね!当時はよく友だちと代官山のアメイズに買い物に行ってました!

野田

まぁ瀬戸はそうだわな ( 笑 )

高柳

そんなわけでコーヘイさんは、けっこう初期のメンバーのはずなんだよね

野田

モーティブは最初、代官山のシュプリームに置いてたよね

瀬戸

ありました。当時は僕の周りでも着てるやつは多かったですね。初期の頃はワングラムらしいというか、かなりストリートっぽい感じの服でしたよね? シンプルだけど、ちょっとグラフィックが入ってるような

高柳

僕もそのイメージ。当時の電気信号みたいなロゴとか覚えてます

野田

だよね。それがモーティブ・タフができた以降から代官山にお店ができたりして、みんながイメージするモーティブのスタイルに移行していく感じだよね

瀬戸

モーティブ・タフは2002年からなんですね

遠山

俺も初期モーティブって言うと、スタイリングとか雰囲気が HETCTIC ( ヘクティック ) に近い感じだと思ってたんだよね。シンプルなんだけどストリートで東京っぽい抜け感があるっていうか

高柳

そうそう、SWIPE ON THE QUITE ( スワイプ・オン・ザ・クワイエット ) とか好きな人が合わせてたような印象があります

野田

それで言ったら高円寺のメッセージとかそういうセレクトだったよね。モーティブって速攻人気出たからなかなか買えなかったけど、メッセージは案外穴場で買い逃したものが見つかるケースもあったんだよな

遠山

だよね。その時代のあとにモーティブ・タフが始まり、コーヘイくんの元々のルーツとおもわれる古着やワークスタイルに傾倒してくる。アイテムでいうとオーバーオールだったりペインターだったりするんだけど、そのまんまじゃなくていい塩梅に今っぽいスタイルに仕上がってくる

野田

気の利いた小物もありましたよね。今でこそブランドがオリジナルのお香立てを作るのは定番だけど、元祖はモーティブだと思うんだよね。NGAPと作ったコーラ瓶のようなお香立て、あれは名品だったなぁ!

モーティブのお香立てでクンバを焚く。これこそが《 あんとき 》のストリートキッズ必須の嗜みでしたよ


参照元:Standard at us

遠山

パテントレザーとかベルクロを使った靴なんかも作ってたよね。ちょっと手が出しづらい物をやれるのは、すごく洋服好きなんだろうなって感じがする

瀬戸

初期からこれだけ印象に違うブランドも珍しいですよね

遠山

作り手の年齢に合わせてスタイルが変わっていくっていうのが生々しくていいんだよね。ストリートのド真ん中だったブランドが、数年後にはオーバーオールが代名詞になってる。それって最高じゃん

高柳

すごくオシャレな人ですよね

野田

オシャレ。体も大きくて服が似合う体系だし、めっちゃ雰囲気あったもんなぁ

遠山

コーヘイくんって大阪の人だし、フルカウントだし、いわゆる原宿系からしたら結構異端だと思うんだよね。
そこをピックアップしてきた清永さんの視野の広さというか、懐の深さもワングラムからモーティブっていうブランドが生まれた1つのポイントだよね。とりあえずコーヘイくんは原宿で最もオーバーオールの似合う男だったのは間違いない

野田

それは間違いないですね!今は THE UNION ( ザ・ユニオン ) だよね?

瀬戸

モーティブのクローズが2007年で、2009年からザ・ユニオンを開始となってますね。その間は古巣のフルカウントにいたみたいですね。その辺りを牧田さんにインタビューしてるフイナムの記事がありました

遠山

ザ・ユニオンもいいんだよなぁ。おれが今被ってるWORKING CLASSキャップもコーヘイくんのとこのやつだよ

高柳

好きなことをちゃんとやっている感じがしますね

瀬戸

そうなんですよね。オーリーにいた時に取材させてもらったんですが、牧田さんってNBAに詳しいんですけど、何年か前にNBAのレプリカジャージをリメイクしたバッグが出てて、それがめちゃくちゃカッコよかったんですよ。

やっぱりこういうアメリカのカルチャーが好きなんだなぁと思って。後から知ったので、その時は買えなかったんですけど、これは今も探してます

参照元:CANDYRIM STORE

野田

見逃すなよ 笑

遠山

大阪って、昔から知識と経験とセンスの全部を持ちあわせてる才人がいろんなシーンにいるから、ホームタウンで得てきたものが大きいんじゃないかな

瀬戸

逆にモーティブ初期のストリートっぽい感じはどういう経緯なんでしょうね。そういう気分だったんですかね?

遠山

時代や世代もあると思うけどね。フルカウントとかドゥニームみたいな、いわゆるレプリカジーンズのブランドって上の世代の人が立ち上げてるじゃない?

でも俺とかコーヘイくんの世代って、古着だけじゃなくて、クラブとかスケボーとかBMXとか、いろんなカルチャーが押し寄せてきた時代の影響があるんだよね、たぶん。結構後期の方になると思うんだけど、モーティブも雷の形したフレームのBMXとかも作ってたじゃん


参照元:CANDYRIM STORE

高柳

僕も覚えてます!もう原宿界隈の人たちがみんなピストに乗り出した時に、あえて20インチのBMXって、めちゃくちゃ渋かったですよね

遠山

センスいいよねぇ。そういうストリートの感覚は必然的に持ってるんだよ。でもさっきのフイナムの記事見てもそうだけど、ふっと軸足を変えようと思った時には本当に自分が好きだったものが頭をよぎるんだろうね。

それは何かっていうと、初期衝動っていうか、10代の時にめちゃくちゃ影響を受けた、古着とかヴィンテージとかそういうものが大元にあったんじゃないかな

野田

シーンがある程度できた中で入ってきて、そのド真ん中で活躍して、今は好きなものを作って、それを喜ぶお客さんがいる。これってファッションを生業にする人にとっては一つの理想の形ですよね

※ 記憶が頼りでして事実と違うことがあったら、すいません!