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KAWS|ユニクロ以前のカウズは 《あんときのストリート》 のポップアイコンだった

《 あんときのストリート 》を発掘|MIMIC ( ミミック )

画像引用:HERITAGE

《 あんときのストリート》を振り返るだけではなく、今につながる話もしよっか!ということで、気になる最新ニュースをミミック的観点で掘り下げていくコーナー。

今回のニュースはこちら!

カウズの巨大彫刻プロジェクトが日本上陸、オープニングイベントにはNAOTOや佐野玲於、ローラなどVIPが来場

 

瀬戸

ここんとこの KAWS ( カウズ ) のブレイクっぷりがハンパないですよね。でも ユニクロ 以後の人も多いはずなので、ちゃんと掘っておきましょうよ

野田

確かに。UNIQLO ( ユニクロ ) のカウズだって、おそらくはNIGOさんが起用したと思うんだけど、その辺の背景をちゃんと理解しておいた方が良いよね

画像引用:KAWS instagram

瀬戸

最近じゃ、DIOR ( ディオール )もですもんね

野田

うん。そこは Kim Jones ( キム・ジョーンズ ) の背景を理解すれば納得するよね。それは今度詳しく話すとして、今日はあまり語られることがないユニクロ以前のカウズについて

遠山

カウズといえば HECTIC ( ヘクティック ) のイメージでしょ

野田・瀬戸

はい、ヘックです

遠山

Tシャツとかフィギュアやってたもんね

野田

立体物は99 年に BOUNTY HUNTER ( バウンティハンター ) が作ってヘックで売ってたカンパニオンが最初なんじゃないかなぁ。

店内に作品も飾ってあったし。

画像引用:HERITAGE

その後に UNDER COVER ( アンダーカバー ) 、A BATHING APE ( ア・ベイシング・エイプ ) 、G1950、NEIGHBORHOOD ( ネイバーフッド )などなど、けっこう色んなブランドとコラボして。これは 2001年のSupreme ( シュプリーム ) とのコラボデッキ。

画像引用:KAWS instagram

《あんときのストリート》 後期の2006年には MEDICOM TOY ( メディコムトイ ) と一緒に ORIGINAL FAKE ( オリジナルフェイク ) もスタートしましたよね。2013年で終わっちゃったみたいだけど、今あったらハンパないんだろうなぁ

遠山

どっから裏原とつながっていったのかね?

たしかカウズってFC ( =Fame City フェイムシティ の略。ニューヨークのグラフィティクルーで、カウズやシュプリームのクリエイティブディレクターになるウエストワン、PNBネーションを立ち上げるブルーなどが在籍。PROJECT DRAGON ( プロジェクト・ドラゴン ) や RECON ( リーコン ) のグラフィックを手がけていた日本人ライターのNESMも在籍だったよね?

画像引用:KAWS instagram

野田

ですです。カウズは97年に日本に初来日するんですが、そのときに STASH (スタッシュ ) がヨッピーさんを紹介したようで、そこからですね。

ニューヨークな以上、FUTURA ( フューチュラ ) 、スタッシュがいるし、FCにはNESMさんもいるし。その3人が手がけていたプロジェクト・ドラゴンがヘックで取り扱っていたので、自然な流れというか

遠山

なるほどね。最初にカウズ作品を見たときにふわっと頭に浮かんだのは「トーテンコップ」「S×E」「イアン・マッケイ」、個人的にはそんな感じ

野田

あー確かに!トーテンコップがモチーフなのかもしれないすね

画像引用:Wikipedia

遠山

そこにS×E (=ストレートエッジ。喫煙・飲酒・ドラッグ・カジュアルセックスらにアンチを唱える思想で、イアン・マッケイよって提唱された。手の甲に×を入れるのがシンボルだった) のトレードマークの×を組み合わせたんじゃないかなって

野田

なるほど、なるほど。面白い。影響はもろに受けた世代でしょうしね

遠山

ただの個人的な深読みだけどトーテンコップはナチスカルだから、この反対の意味(アンチレイシズム)として使ってるとおもうし。×印がストレートエッジからきてるとしたら、ポップなカウズアートの裏側はゴリゴリの熱いスピリットってことじゃん?

90年代の初期の頃はオーソドックスなスタイルだったと思うけど、その辺が出てきたのがビルボードとかバス停の広告あたりじゃない?やっぱり転機ってあの辺になるのかね

野田

ホントのとこは分からないけど、作風としての転機はその辺じゃないですかね。広告の上に描き出したのが93年ってことで最初はビルボードが多かったのかなと。マルボロとかキャプテンモルガンとか有名ですよね。

画像引用:KAWS instagram

で、97年頃からバス停とか電話ボックスに描いた作品が出てくるんですよね。この時期になると、完全にボクたちがイメージするカウズの作風になってますよね

画像引用:KAWS instagram

瀬戸

ボク完全にこの時代のイメージですね

野田

だよね。ボクもこっから知ったもん。

あと1つ自慢していいっすか?

遠山

なによ?

野田

ボク、カウズとメシ食ったことあるんすよ

瀬戸

マジすか!? すげー!

野田

いや、ゴメン。話盛った (笑)。

正確には香港のイベントに参加したときに、そこに参加してた人たちみんなでメシ行こうってなって、たまたま同じテーブルになった感じ。そのテーブルには他に セブンスターズ の堀内さんと岩田さん、そしてインファナル・アフェアに出てたエディソンもいるという

瀬戸

超豪華!

野田

ね (笑)。しかもメシ食ってるときも移動の車もずっとカウズの隣なのよ! こちとら英語なんてサッパリなんだけど、さすがに挨拶くらいはって思ったんだけど「ハイ、カウズ!ナイストゥ・ミーチュー」なんて、本人を前にしてアーティスト名で言えないじゃん!

だから「ハイ、ブライアン!」ってカウズの本名で挨拶したんだけど「120%、コイツ誰だよ!」って思われたと思う (笑)

遠山

挨拶しただけでも上出来だよ、あんた (笑)

野田

何度「サイン・プリーズ!」と言いたかったことかっ!でもさすがに立場わきまえて、しゃしゃり出ないようにしてました。

ほんと、メシがカニで助かりましたよ。イっちゃてるくらい黙々とほじってたとおもうんで

遠山

そもそも何のイベントだったの?

野田

2004年から2006年にかけてVISUALLってイベントを DEVILOCK ( デビロック ) がやっていて。このイベントは世界中の人気アーティストの作品を集めてアメリカ、カナダ、香港、台湾、日本で展覧会をするってもので、カウズや 7STARS DESIGN ( セブンスターズ ) の他にもフューチュラやスタッシュなんかの展示もあって。

画像引用:GRAILED

その時ボクは MAD FOOT! ( マッドフット!) で働いてるときで、VISUALLが香港開催の日に今井さんと中国出張してたので連れていってもらったんですよね

瀬戸

ありましたね、VISUALL!

野田

そそ。銅鑼湾 (コーズウェイベイ) にある  JUICE  ( =エディソンのセレクトショップ ) でやってたんだよね。多分JUICEでデビロックを取り扱ってたんだろうね

瀬戸

でもまたこうしてカウズが日本でイベントを開いて、そこにフューチュラやスタッシュも来日してって、まさに 《あんときのストリート》 って感じで嬉しいっすね!

野田

うん。ヨゴロウ ( =原宿のカレー屋さん ) が人気店になってストリートキッズたちの手から巣立っていったかのような、カウズのオーバーグラウンド感には一抹の寂しさもあるけど、 《あんときのストリート》 の中心にいた先輩たちの先見の明はさすがだよね。

20年以上も前にこの辺の才能をボクたちに伝えてくれていたのは感謝しかない。

多分フィギュアとかその辺に転がってるはずなんで、今度ちゃんと探してみよっと♪

※ 記憶が頼りでして事実と違うことがあったら、すいません!