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Quant|まだヤフオクもメルカリもない《あんとき》のストリートキッズを支えたのはクアントだった

《 あんときのストリート 》を発掘|MIMIC ( ミミック )

今やレアなアイテムを買い逃したとしても、プレ値覚悟でよければヤフオクやメルカリでいつでも買えるけど、まだネットが普及していない《 あんときのストリートキッズ 》たちの情報源といえば QUANTO ( クアント ) でした。

読者は自分の「売りたいもの」や「買いたいもの」を雑誌内の掲載申し込み用紙に記入し、編集部へ送付すれば誌面に掲載してもらえる。そこには連絡先も記載されているので「買いたい人」や「売りたい人」が全国から連絡をしてくるという今でいう C to C 通販のハシリである。

電話帳のような誌面には「売りたい・買いたい」情報がギッシリと並ぶ。
※ 個人情報バリバリ出てるのでモザイクかけてます

無料の掲載申込書、写真を掲載したい場合は掲載料が1000円かかる。

有料の掲載申込書。10行までで写真なしが1000円・ありが1500円 、11行以上〜20行になると写真なしで 2000円・ありで2500円と行数が増えるごとに掲載費用があがる仕組み。
※価格は97年4月30日号当時

1995年にネコ・パブリッシングより創刊され、当初の月間から月2回発行 ( 16日と30日 ) へと進化し、最盛期には17万部を誇った。


瀬戸

これスゴいっすね!住所、名前、電話番号、個人情報がガッツリ出てる

野田

だよね。卒業アルバムはまだ同級生だけだけど、これは全国誌。今じゃ考えられないけど、当時のストリートキッズは全国に自分の個人情報を晒してでもレアアイテムの売買に勤しんだわけですよ。

特にボクの好きだった裏原シーンでは、1万5000円で買ったスニーカーが履いてある状態だとしても10万で売れるとか、すぐに価格が高騰する状態だったのでクアントでの相場チェックは外せない嗜みだったんだよね。委託屋に売った方がラクなんだけど、高値で売りたいなら手間かけてもこっちみたいな。その辺は今のヤフオクやメルカリと同じだと思うんだけど

遠山

申し込み用紙にクレジットカードのコピーを貼って、掲載費用が決済されるってのもなかなかの荒技だね (笑)

野田

ですね (笑)

瀬戸

フリークス がフリーマーケットの募集してる。時代感じますね。

野田

クアントのなにがすごいって、その掲載内容なのよ。基本は無料枠での掲載が多いんだけど、そうするとMAX54文字に収めなきゃいけないのね。Twitterですら140字だよ!それなのに54文字!

そうなるとブランド名とかアイテム名をガンガン省略しないと、とてもとても収まらないわけよ。だから側から見てる人からすると、もはや暗号でしかなく (笑)

瀬戸

確かにパッと見よく分からないのがありますね

野田

そこで今日は

君は読み解けるか!?
クアント暗号解読クイズー!

を実施します! パチパチパチ!

遠山・瀬戸

…ぉお(今日、ごきげんだなぁ)

野田

第一問 、デーデッ♪

この人が売りたいスニーカーは全部で何足?

遠山

6足………かな?

野田

正解!さすが遠山さん!正解は6足。

この問題のポイントはSをサイズのS・M・Lとしてではなく、SIZEの略として読むことです。

この人が売りたいのは、AIR MAX95のイエローグラデの9インチ(27cm)と9.5インチ(27.5cm)を8万〜15万の範囲で。赤グラデは9インチと9.5インチがあり6万〜10万の範囲で。あとはAIR MAX96と97を1足ずつって感じですね

遠山

9hのhはハーフってことか。しかし写真もなく10万の靴を売ろうってのがスゴいな (笑)。本物かどうかすら怪しいじゃないの

野田

続いて第二問。デーデッ♪

この人が売りたがっている最初の2つはなんでしょう?

遠山・瀬戸

JP?OS??うーん………まったくわからん

野田

正解はJP型=ジャックパーセルタイプ

画像引用:AnoLuck

そしてOS型=オールスタータイプです!

この問題のポイントはOSの誤字をASに変換できるかですね!

その前にジャックパーセルタイプがあるので、文脈的にこの人はオールスタータイプも持っていると推測できます。あとはASと略さないといけない部分をOSと略してしまった恥ずかしさを寛大な心で目をつぶり読み進めてあげることが解読のポイントとなります

遠山

誤字は正さないのね(笑)

野田

編集方針でそうみたいです。

さぁ、いよいよ最終問題。難易度はさらに上がります!デーデッ♪

この人が売りたいフォトカードは4枚セットなのですが、アガシ・ベンソンときて「他」は誰?

瀬戸

アガシだからグラフとか?

野田

ブッブーー!

グラフはアディダスだろ! はい、遠山さん、どうぞ!

遠山

知らねーよ(笑)!

野田

正解!そう、分からないんです!

フォトカードなんて誰が写っているかが超重要なのに、誰かも教えないでお金とって売ろうとするんです!そんな古き良き時代があったんですね (笑)。

今は便利になって手間も減ったし、商品も必ず画像付きで見れる。だから買い物での失敗は大幅に減ったけど、反面何か出てきそうとか、何があるんだろう的なドキドキ・ワクワク感が買い物から減ってしまった。これこそ買い物の醍醐味だったりするんですけどね。

失敗したら失敗したらで身に染みるので、また賢い買い物ができるようになるし。ある意味で当時のストリート修行はスパルタだった

瀬戸

いや、さすがに何売ってるかは省略しちゃいけないと思いますよ (笑)

野田

……だな