《あんとき》のストリートウエアを掘り起こす、MIMIC 恒例の地方発掘ツアーを今年も敢行して参りました!コロナ禍を経て、約2年ぶりの開催となった今回のツアーの目的地はズバリ、新潟。市内には、当時から“裏原”系のアイテムを取り扱っていた ZOETROPE ( ゾエトロープ ) という老舗セレクトショップがあり、《あんとき》の最盛期にはこちらのショップを中心に新潟にもストリートシーンが形成された歴史があることから「 リユースショップにも当時のアイテムが流れている可能性があるのでは? 」という見立てをつけた次第。
また、県の中央に位置する小千谷市には、“裏原” 前夜のストリートシーンで多くのクラブキッズを魅了した、日本のストリートブランドの先駆け、TAR ( トウキョウ・エアランナーズ ) のラボ( ヘッドショップ )も。裏原宿、Stussy ( ステューシー ) の日本における発祥の地である JACK OCEAN SPORTS ( ジャック・オーシャン・スポーツ )、そして TAR LAB. を《 あんとき 》のストリート三大聖地として勝手に認定し崇める MIMIC としては、一度は訪れればならない聖地ということで、この機会に足を運ばせてもらいました。
それでは MIMIC メンバーによる、一泊二日の新潟珍道中の旅が開幕です!
最初の訪問地は新潟県 第3の都市、上越市
今回の旅路の集合場所は、関越自動車道の高坂サービスエリア。メンバーの野田と遠山が運転する2台の車に分かれて、一路新潟を目指します。
まず向かったのは、最近、野田が夢中になっているバイク関連のブランドが豊富に揃う、WESTERN RIVER ( ウェスタンリバー ) がある上越市。瀬戸の事前調査によると、エンターテイメント系リユースショップとして人気を博す、おたちゅうの上越店もあるとのことで、この2店舗を目指します。
関越自動車道を北上し、群馬県の藤岡ジャンクションから長野県長野市を経て、上越ジャンクションへと至る旅路は約 250 km!走行時間、約3時間のロングトリップです。もちろん瀬戸は一切運転してくれません!
ファン垂涎のフィッシャーマンニットをはじめ、グッドイナフが大量発掘!
出発時間が早かったこともあり、渋滞に巻き込まれることなく、無事に上越市へと到着。さっそく、おたちゅう上越店を訪問し、《あんとき》のストリートウエアを発掘することに。
パッと見は、ノスタルジー溢れる謎の看板は見当たらないものの地方によくあるエンターテイメント系リユースショップの外観。そのため、入店前のこの段階では、我々の誰しもが発掘ツアー史上、最高の成果を上げることになるとは夢にも思っていませんでした……。
中に入っても店内は、一般的なエンターテイメント系リユースショップの構成と変わりナシ。人気のカードやゲーム、おもちゃなどが入ったガチャが店頭に並びます。しかし、アパレル売り場のコーナーへと足を運んでみると……。
いきなり、目に飛び込んできたのは GOOD ENOUGH ( グッドイナフ ) のロゴプリントが背面に施されたパッチワークシャツ!《 あんとき 》にはラルフローレンがリリースしたことでブレイクしたパッチワークですが、グッドイナフとの邂逅により、いっそう魅力的なアイテムになっています。
続いて発見されたのが、メンバーの野田が収集しているグッドイナフのライン・ネルシャツ。グッドイナフの名作のひとつに数えられ、藤原ヒロシさんもよく愛用していたイメージがあります。
不定期に何度かリリースされているアイテムのため、発売年数は不明ですが、’90年代後期か、’00年代に入ってからのアイテムだと推測。状態も良く、サイズもバッチリだったため、即お買い上げ。
そして、我々に衝撃を与えたのが、ショーケースの中に鎮座していたグッドイナフを代表するアイテムのひとつ、フィッシャーマンニット。藤原ヒロシさんが溺愛するアイテムのため、ヒロシさんが関わるさまざまなブランドからいろんなデザインのものがリリースされていましたが、こちらは本家本元、グッドイナフのもの。
店員さんの話によれば、市内の愛好家から持ち込まれた《 あんとき 》のオリジナル品とのことで、同時期にリリースされたベージュのプルオーバーとブラックのジップアップの2種類がラインナップされていたので、迷わず2品とも購入。
こちらが購入後に車内で撮影したブラックのジップアップパーカー。裾や袖先に入った切り返しのラインが入っていて、とってもお洒落!どちらもミントコンディションに近い掘り出し物。
さて、気になるお会計金額は……
発掘ツアー史上、最高額となる、一軒で6万オーバーのお支払い。さすが MIMIC の仕掛け人、使うお金も豪快です!
先述のグッドイナフの愛好家の方が放出したものなのか、こちらのおたちゅうにはそれ以外にもグッドイナフが豊富に揃っていました。ここではその一例をお見せしていきます!
通称、“グラムG”のロゴが前面に大きくプリントされたTシャツ
こちらはチャンピオンのリバースウェーブを踏襲したオリジナルボディが採用されたスウェットパーカー。’90年代後半のアイテムで、メンバーの高柳はリアルタイムで購入していたそう。
’00年代前半にリリースされ、キムタクが着用したことでも話題を集めたクロスドットのパーカーも色違いで発見!今でもメルカリなどのフリマアプリでは、高値で取引されている人気アイテムです。
それ以外にもUNDER COVER ( アンダーカバー ) や Stussy ( ステューシー ) 、LET IT RIDE ( レットイットライド ) や MASTERPIECE ( マスターピース ) などのアイテムも発掘されました!
アンダーカバーの定番Tシャツ
ステューシーとマーベルコミックのコラボTシャツ。コスタス風なんだけど、どうなんだろう?
裏原の名店、ELT のオリジナルブランドとして人気を博したレットイットライドのボーダーTシャツ。
ジェイ Z が生まれ育ったブルックリンでのストリートライフを描いたドキュメンタリームービー『 STREET IS WATCHING 』がネタ元となったマスターピースのTシャツ。
予想以上の収穫が得られ、大満足な MIMIC 一行。次なる目的地、ウェスタンリバーを目指します!
全国各地のバイク好きが集うウェスタンリバー
こちらが次の目的地、ウェスタンリバーです。全国からバイカーファッション好きやアメカジ好きが集まる超有名なセレクトショップで、毎年6月には「 RUMBLING WHEELERS 」という人気イベントも開催されました。
3台目のバイクが納車待ちにも関わらず、4台目として禁断のヴィンテージ・カスタムに足を踏み入れようとしている野田たっての希望で立ち寄らせてもらいました。店先にはお客さんのものと思しきヴィンテージハーレーが並んでいます。
’60年代のアメリカを再現したような店内には、WESTRIDE ( ウエストライド ) や TROPHY CLOTHING ( トロフィークロージング ) といったバイカー系のブランドを中心に、アメカジ好きならば思わず手に取ってしまうラインナップが所狭しと並びます。
中でも US 限定と思われる VANS ( ヴァンズ ) のシューズには、MIMIC メンバーたちも目が釘付けに。隣にはバイクや写真などが展示されているギャラリースペースのような場所もありました。
店の入り口には、バイカーとしても知られるスケーター、ジェイソン・ジェシーの直筆サインも!サンタクルズのライダーとして活躍し、現在はドリブンという自身のブランドを手がけています。
US 気分を十分満喫させてもらった我々は、次の目的地である小千谷市へと出発しました!
聖地、TAR LAB.で起きた奇跡!
小千谷市までの道のりは、上越インターチェンジから北陸自動車道と国道291号を乗り継いで車で1時間ほど。錦鯉の里として有名な町ですが、自慢のグルメや人気の観光名所があるようなメジャーな行楽地ではありません。では、なぜ我々はそんなところへ向かったかといえば、《 あんとき 》のストリートを愛する人たちにとっては決して避けて通ることのできない聖地、TAR LAB. があるから。
TAR は “裏原” のカルチャーが生まれる前から、東京発のストリートウエアとして人気を博した、知る人ぞ知るブランド。詳しくは以下の過去記事を読んでもらいたいのですが、デザイナーの関さんは古くから藤原ヒロシさんをはじめとする“裏原”シーンの人たちとの交友も厚く、近年も「 ギター男さん楽しい8回忌 」の際にリリースされた GAS BOYS ( ガスボーイズ ) Tシャツを手がけたことでも話題を集めました。
画像引用:Twitter
実は事前の下調べで、TAR LAB. は全日休業中であることがわかっていました。でも「 もしかしたら、何かのきっかけで突然オープンしているかもしれない 」というわずかな望みをかけて、ダメもとでアポなしの訪問を敢行した次第。
小千谷インターチェンジを降りてからしばらく下道を走ると、雪国ならではの屋根の付いた商店街が両脇に見えてきました。初めての訪問とあって、本当にこんな場所に TAR LAB. があるのかと、やや疑心暗鬼になりながら走っていましたが、ありました!憧れの TAR LAB.!
動画接客ツール ザッピング で投稿
「 でも 」と言いますか、「 やっぱり 」と言いますか、残念ながらお店はお休み(泣)。
しかし、店外には TAR のそれとわかるステッカーやステンシルアートが。ボクら信者にしてみれば、この写真すらも立派なお土産です!
そんなこんなで訪問した思い出を残そうと、お店の周りをパチパチ撮影していると、隣のガレージが開き人影が……。あれ !? もしや ( デザイナーの ) 関さんじゃない ??
なんと、悪運の強いボクらは偶然にも関さんとお会いすることができ、直接お話をさせていただく機会に恵まれました。勝手に訪問した僕らを温かく迎えてくれた懐深さに感謝。しかもその様子をインスタに掲載してくださりました。なんたる光栄!
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記念撮影までしていただき、TARのパケとステッカーまでお土産にいただいてしまいました!
ちなみに事前予約をすれば、通販で購入したものをお店で直接、関さんから受け取ることもできるそうです。次回はそうした手順を踏んで、関さんと《 あんとき 》の思い出話を振り返りながら素敵な「 時 」を過ごさせていただきたいと思います!
本日の最終訪問地、おたちゅう長岡店で二度目の発掘フィーバーなるか !?
胸アツのひとときを過ごした MIMIC 一行が、この日最後に向かったのは、長岡市にあるおたちゅう長岡店。先ほどの上越店で大量発掘に恵まれたこともあり、期待が膨らみます。小千谷市からは車で20分ほどの距離。
こちらがそのおたちゅう長岡店。「 教会の居抜きですか? 」という佇まいは、とにかく巨大。
店内にはストリート系のスニーカーやアパレルが並ぶコーナーが設置されています。これはもしや、本日二度目のフィーバーの到来かと思いきや……
残念ながらこれといった収穫はナシ。唯一見つかったのは、やや古めのアンダーカバーのジップアップ・スウェットパーカーだけでした。
あとは、ステューシーの CUSTOMADE ( カストメイド ) のTシャツが見つかったくらい。
本日の発掘ツアーはこれにて終了。新潟市に移動して、明日の市内&新発田市発掘ツアーに備えます。
次回、後編に続く